https://www.bbc.com/japanese/49012982
米空軍の「エリア51」に集結してエイリアンに会おう――。おそらく冗談のつもりで投稿されたフェイスブックのイベント告知に、100万人以上が参加を表明し、軍が警告を出す事態になっている。
エリア51は、米ネバダ州ラスベガスの北西約130キロにある、空軍基地の一部の呼び名。他の基地と同様、どのような目的をもっているかは明らかにされていない。

ここが有名なのは、米政府が捕まえた宇宙人やUFO(未確認飛行物体)を収容し、そのテクノロジーを保持しているとする「陰謀論」の舞台だからだ(米政府はこれを否定している)。
ナルトのように走れば
フェイスブックに投稿されたイベント告知は、「エリア51になだれ込もう、向こうは我々全員を止められはしない」と題されたもの。9月20日午後3~6時に開催予定となっている。「公開・主催者」の欄には氏名が出されていない。

「詳細」の項目には、「全員、エリア51のエイリアンセンター観光アトラクションに集合し、入場を調整する。(日本のアニメの)NARUTO(ナルト)のように走れば、軍側の弾丸より早く走れる。エイリアンたちに会おう」と書かれている。
日本時間17日夕方の時点で、「参加予定」は145万人、「興味あり」は114万人となっている。
軍は冗談が嫌い?
この状況を受け空軍の報道官は、米紙ワシントン・ポストの取材に、「アメリカとその財産を守る準備ができている」と回答。
「(エリア51は)米空軍の野外訓練場であり、誰であろうと米軍が訓練している場所に来ないように訴える」と述べた。
アメリカ文化に浸透
エリア51をめぐる「陰謀論」は1989年、ボブ・ラザーという男性によって広められた。かつてエリア51で勤務していた物理学者だと称するラザー氏は、米テレビのインタビューで、UFOの分解に関わったと主張。地球上の生命体にはエイリアンが関係しているとする、政府文書を読んだと説明した。

ただし、ラザー氏の主張を証明するものはなく、同氏が大学で物理学を学んだ記録もない。
それでもこの「陰謀論」はアメリカで根強く残っており、「宇宙人ポール」「インディペンデンス・デイ」といった映画や、「X-ファイル」などのテレビドラマ、「エリア51」などのビデオゲームなどにも取り込まれている。

現実には…
ただ、エリア51は立ち入りが厳しく規制されていて、周囲を武装兵士が警戒している。上空を飛行するにも許可が必要で、その許可が出ることはない。
なだれ込むのは、ちょっと難しそうだ。